作家紹介

「手芸は、楽しみながらの自分磨き」 87bunko

「87bunko」主宰、遠藤氏は、母親の手芸作品に囲まれて育ち、美術やアクセサリー等に関する教養を深め、コサージュメーカーに就職。自身をモデルにした作品撮影は、海外へも飛んで、遠藤氏独自のアーティスティックな作品で写真集(電子書籍)にしている。現在は、手作りコサージュ作家・講師、また手芸エッセイの電子出版等、多岐にわたって活躍している。

型にはまることのない、新たな手芸作品づくりを

遠藤氏はこれまで、花をテーマに、布のほかにもリボン、紐など素材の特性を生かした作品作りをしてきた。また、作り方をただ説明するだけではなく、読者が転びやすいところを明確にし、そのアドバイスを分かりやすく説明する本を出版してきた。現在、これまでの作品づくりに加え、新しい素材やテーマへのチャレンジはもとより、たくさんの方たちに手芸の楽しさを伝えようと、身近な生地を用いた親しみやすい作品の提案、手芸体験を生み出す活動に力を注いでいる。

作品づくりは自分磨き

遠藤氏は、長年手芸に携わっていくか中で、作品づくりは単に作品をつくることだけに留まらないことに気が付いたという。遠藤氏は気づきを得た当時をこう振り返る。「これまでに色々なことがありました。自分で選んだ道でも、苦しさや辛さはもちろんあります。その時には、特段誰かが助けてくれるわけでもなく、自分でどうにかしなくてはなりませんでした。ただがむしゃらに、『あと3日頑張ろう、あと3日頑張ろう』と踏ん張り、乗り越えてきたこともあります。でもある時、全てをそうしなくてもいいと気が付きました。進み続けて疲れた時はとまったっていい、休んでもいいと思います。様々な選択肢をもって自分で考え、行動する経験を積み重ねると、状況の捉え方、前進の仕方が分かるようになります。そうやって、人間として、大人として、女性として、内面を磨き、センスを磨き、きちんと仕事をする。そのように自分を磨いた先の作品が、お客様の心に響く作品になっていくと思います。」

手芸力を広く伝承し、幸せに生きるきっかけを

遠藤氏は、日々の生活に身近な手芸によって、生きる力を養う上でベースとなる様々な気づきや基礎力を得ることができると考えている。このことから、手芸を通しての気づきや基礎力を『手芸力』として、作品をつくるのみならず、本の出版、教室の開催など、多岐にわたって発信活動を行っている。最後に遠藤氏より、作家として活動を続けている、もしくはこれから趣味として作品づくりを始める方へのメッセージをいただいた。「作家人生は、ロングランです。上手くいかないこともあるけれど、それは自分発見のきっかけになることもあるし、新しいことが生まれる可能性を示すものでもあります。誰に何を言われようと、続けてきたことが価値になります。小さな成功や小さな失敗の積み重ね、あなたの経験こそが価値、作品作りを通して、自分磨きも味わってください。」「小さな日常こそ、“工夫”を楽しむ舞台。どんな方にでも、手芸のようなテクニックを使って、生活を豊かにすることができるんです。」




<作家概要>
屋号: 87bunko
住所:栃木県佐野市本町2900-6
HP: https://noriko-endo-87.jimdofree.com/
経歴:遠藤氏は栃木県で生まれ育ち、高校を卒業したのち上京し、文化女子大学短期大学部生活造形科、文化服装学院シャポーアクセサリー科にて学ぶ。コサージュメーカーで約7年半勤めた後、フリーランスとして活動を開始。現在は、佐野市にて、花手芸作家として、また手芸エッセイの出版等、多岐にわたって活動中。