一般社団法人紹介

食べるということは生きるということ。現代人に伝えたい食を意識することの大切さ

ヘルスフードマイスター協会の熊倉さん、佐久間さんとえにさむ代表の本間と取締役の西川

ポストコロナ禍において、免疫力向上の重要性が高まってきている中、改めて食を意識する事の大切さに気づく必要がある。命は食にありとはよく言ったものであるが、利便性・効率性の高まる昨今において、栄養バランスの整った食事の取り方を的確に理解し、日々の食生活を送っている人は、段々と減ってきている。次世代を担う若手や、その下支えとなる親世代に対して、健康的な食生活を送るための知識や、具体的な料理方法を広めることをミッションに活動されている一般社団法人ヘルスフードマイスター協会代表理事の熊倉さん(通称マダムKei)、佐久間さん、鈴木さんに、現代の食の問題の深刻さ、そして問題解決に向けた今後のビジョンについて聞いた。

協会設立の背景と現在の活動内容

ヘルスフードマイスター協会の設立経緯を話す熊倉さん

―まずはどういった経緯でヘルスフードマイスター協会の設立に至ったのかきっかけをお聞かせください。

佐久間:さかのぼる事6年前、初めは健康な食生活に興味があり勉強会に参加していた、私、そして代表理事の熊倉を含め、数名のメンバーの出会いから始まりました。その中の一人に、がんにかかっていたご年配の男性がいらして、その方は当時どんな料理ががんに効果があるのかと勉強をするために講演会などに出向いていらっしゃったのです。そしてそのご年配の男性が元々持っていらっしゃったNPO法人の主催という形で第1回目となる料理教室を開催しました。

熊倉:最初はがんの予防のための料理教室という形で始まりました。ご自身がご高齢ということもあり対象は高齢の方にということでしたが、どちらかというと私たちのようなこれからの若者を育てる世代をターゲットにした方がいいのではという話になり、その後は任せるとおっしゃってくださいました。それで2回目からは一般社団法人を立ち上げまして、もとより、若手を育てる特に、女性層との繋がりが多かった私が代表を努めさせていただくことになりました。

―ターゲットを変更し、本格的に社団法人としてスタートを切ってからは、どのような料理教室が開催されるようになったのですか?

熊倉:がんに限らず、生活習慣病の予防という目的で料理教室を開催していきました。今までの料理教室ではお料理の手順や材料を伝えられるのみでしたが、私が伝えたいのはそこでなぜその食材を使うのか?なぜその調味料に気をつけないといけないのか?という“なぜ”の部分。そこが今までの料理教室ではなかなか伝えられなかったのです。長く続いてきた日本の伝統的な食文化は私たち日本人の体に合うようになっている。そこをもっと伝えていけたらいいなと。

佐久間:日本料理って一言で言うけれども一汁三菜っていうのは病気予防の基本ですからね。

熊倉:料理教室ではラップで握ったおむすびと手で握ったおむすびを食べ比べてもらうのですが、全然おいしさが違うのです。不思議ですけれども「目に見えない愛の化学反応」が起きているのでしょうね。最近は便利な世の中になりましたけれども、食に手間暇をかけることをもったいがらないで、そこから気がつくことを大事にしてほしいと思っています。

―協会設立から今年で6年目ですが、料理教室の他に現在はどのような活動をされているのでしょうか?

鈴木:当初の目的であったがん予防という視点から生活習慣病を予防する体作りという方向性に転換してからは、料理に対する知識や技術を持ち、それをプレゼンできる指導者を輩出できるよう、学習機会を提供しています。当協会が主催する認定試験を受講し合格された方には、ヘルスフードマイスター認定証書を授与しており、現在ヘルスフードマイスターは140名を超えました。これからも社会に向けて、世代を超えたメッセージを発信できる協会へと成長をし続けられたらいいなと思っています。

現代の若者が直面している食の問題

若者の食の問題について話す熊倉さん

―これからの若者も病気の予防を心がけることは大切だと思いますが、現代の若い家庭に共通する食の問題はあるのでしょうか?

熊倉:娘が今年30歳になりまして、その周りの友達とかを見ていると、みんな食事のことで悩んでいます。子育て中のママが何を作ったらいいかが分からない。聞くとどれを食べても出来上がった料理が同じような味がすると言うのです。かつて、料理は家庭で学んでくるものだったと思うんですけれども、今の若い世代は本当の意味で料理を学んでこなかったんですよね。これはもう今の教育制度が問題なんじゃないかと思います。学校に入っても受験勉強をしなきゃいけなかった。家庭科の授業もほとんどないですから。でも私はこういった状況を改善するために、もっと【生活に活きる家庭科】というものをやってほしいなと思います。

―確かにこのままでは現代の若者の子供や孫にも悪影響が出てしまいますよね。このような状況を食い止めるためには、まずどのようなことから始めていくべきなのでしょうか?

熊倉:まずは日本人全体の食に対する意識というものをもう少し見直さないといけないと思っています。例えば、若い女性が食の大切さにどこで気づくかというと、お子さんができてからなのですよね。アトピー持ちの子供のためにどのように食生活に気をつければいいのか、という相談をよく受けますが、ここで初めて、食に関して何も知らない状態ではまずいよねとなるわけです。やはり子供ができる前に若い世代に【食べるってどういうことなのだろう】ということを考えてもらう必要があるなと感じています。昔のように大切なことを口出ししてくれるお節介なおばさんがご近所にいてくれたらいいのですけどね。

食の知恵

食を通してのビジョンを話す熊倉さん

―このコロナによって人々がより健康であることの大切さを感じていると思うのですが、協会としてはこれからどのような世界を作っていきたいと思いますか?

熊倉:食を通してどんな生き方をしたいのか、目的は健康だけではないと思うのです 。健康だからこそやりたいことがその先にあるはず。そのためにも知識を身につけてほしいと思っています。食べることって生きることですし、それが大変なことではなくて楽しくて美味しくてしかもこんなに簡単なことなのだ!ということに気づいて欲しいのです。

―まさに食の知恵=生きる知恵ということですね。食を見つめ直すことの大切さに改めて気付かされます。

熊倉:日本人は元々、日本ではこんなに美味しいものが食べられるのだっていうことを知っているんだけれども忘れているのです。それに気づいてほしい。当たり前のことをやっていれば当たり前に健康になって、そして健康な人が増えていけば社会が健康になっていきます。健康になった社会で子供たちを育てることで子供たちも健康になります。それが一番幸せなことです。そういったことが自然になってほしいと強く願います。

今後協会として挑戦したいこと

今後協会として挑戦することを話す熊倉さん

―デジタル化が進んでいる現代において、今後若者にどのように情報を発信していこうとお考えですか?

鈴木:正直どうやってデジタル情報として発信していけばいいのか、非常に悩ましいというのは本音です。

熊倉:講座を受講し終えたマイスターの方々には、ヘルスフードマイスターの資格をお渡ししていて、ありがたいことに受験してくださる方々には大変満足していただいているのですが、もっと発信をしてより多くの方々に広めていきたいという思いはあります。

―もう少し知識を細分化して、若者が私生活で使えるような発信の仕方をしてみてもいいかもしれませんね!

熊倉:確かに、若者がすぐに生活に取り入れられるようにミニ知識をLINEで配信するとか、それでコンビニで食事を買うときにでも、その知識を使うことで今までよりちょっと健康な選択ができるようになってくれたら嬉しいですよね。

―最後に今後の協会にかける想いをお聞かせください

鈴木:目的は「うちの協会すごいんだね」と思ってもらうことではなく、あくまでも伝わるべきことが次の世代に伝わってくれて、その世代が健康になってくれたらいいんです。

熊倉:病気というものから解き放たれたら悩みが一つ無くなって、何のために生まれたかという本来の目的を思い出します。健康であるために、そして健康の先のやりたいことを成し遂げるために、若いうちから食の知識を身につけることが大切であるということを私たちから伝えていければいいなと思っています。