会社紹介

まさに、鐵のデパート 確かな技術と豊富な品揃えで地域を支える 植木鋼材株式会社

(左から植木鋼材株式会社代表取締役 植木揚子氏、弊社代表取締役 本間大輝)

大量生産・大量消費の時代が終わり、個人のニーズに合った商品づくりが重要視される現代において、顧客の声を反映させることはより重要である。これを創業時から意識し、細かい要望に向き合い続けている企業の1つが、栃木県宇都宮市にある植木鋼材株式会社である。 植木鋼材は、大掛かりな鋼材から、金属小物等の細かい製品まで、幅広い商品を展開している。今回は代表取締役である植木揚子氏に、企業の核となる部分について伺ってみた。

創業から大切にしてきた「積小為大」の精神

―まず植木鋼材株式会社様の理念やビジョンについてお伺いしたいのですが、創業時から現在も変わらずに大切にされていらっしゃることはありますか?

植木氏:創業の精神として「積小為大」があります。二宮尊徳の言葉で、小さなことをコツコツと、一歩一歩積み重ねていくという意味です。植木鋼材株式会社のはじまりは1962年7月に、現会長である私の父が宇都宮で鋼材店を始めたことでした。おかげさまで、今年で60周年を迎えます。父から植木鋼材を引き継ぎ、私の代になってからは、新たな経営理念「つなぐ」とビジョンを、二宮尊徳の教えである「一円融合」を軸にして打ち出しました。新しい経営理念の軸となる「一円融合」は、一つの円の中で互いにはたらき合い、一体となることで初めて成果が生まれるという意味です。これまで積み上げた強みを最大限に生かし、鉄を通じて、人と社会、人と未来、人の心と心をつないでいくことができればと考えています。会長が創業の時から大切にしてきた「積小為大」の精神を基本に、お客様に喜んでいただける企業を目指し、一人ひとりのバトンをつないでいきます。

小さな積み重ねにより得た大きな自社の強み

―創業から「積小為大」の精神を大切にされて、小さなことをコツコツと行ってきた中で、今ではどのようなものが積み上げられているとお考えですか?

植木氏:そうですね、一番はお客様の声に真剣に向き合うことで培われてきた、様々な技術と経験だと思います。私たちは、お客様の細かいご要望にも応えるため、一貫して少量多種の在庫を備えるようにしており「一枚、一個、一本から」という小口対応を承っております。そして、10時までにご注文いただければ、同日の17時までにお届けし、15時までにご注文いただければ、翌日の午前中にお届けするという「今すぐ」「即日配送」というスピード感で、日々業務を行っております。また、県内でも有数の加工機を装備しておりますので、0.3ミリの薄板から36ミリの厚板まで切断や、窒素加工による二次元パイプ加工や高精度の折曲加工などの「切断・折曲」の一次加工まで承ることで、お客様の生産効率向上・工程短縮に寄与するサービスを実現させております。小さなことをコツコツと積み上げた結果、今ではこのような強みを見出すことができるようになりました。

(組み立てを前提とした複雑な設計の切断技術を用いて制作されたというクモのオブジェを、実際に見せていただきました。)

強みを活かしてお客様と向き合う中で芽生えた新たな想い

―お客様の声を近い距離で聞き、自社の強みを活かしてそのご要望に応えていく中で、これまで気が付かなった新しい発見や視点が生まれることもあるのでしょうか?

植木氏:そうですね。「鉄」の魅力や良さを伝えきることができていないことに気が付きました。鋼材は、大掛かりで、目に見えない縁の下の力もちであり、日常生活にはなじみのないものという印象を持たれていることが多いなと感じました。また、弊社の社名からしても、堅苦しいイメージをもってしまうかと思います。ですが、鋼材は様々な加工を駆使することで、色々な物へと生まれ変わることができます。そのため、日常生活において、鉄製品がもっと日の目を見てもいいのではと思っています。ですので、今後は新たに鉄を使う専門家のお客様だけではなく、一般の方々にも親しんでいただけるような、そういった世界観の製品を売り出していきたいです。

多くの人の日常に鉄製品で彩を

―今後の方針として、日常生活にも使えるようなものを手掛けていきたいとのことでしたが、詳しくお伺いできますでしょうか?

植木氏:2021年、我が社が60周年を迎えるにあたり、自社ブランド「maasa」を立ち上げます。業務用の植木鋼材とは表現を変えていきながら、お客様からの様々なご要望を聞くことで、日常でも使えるものを作ることに挑戦していきたいと思っております。一つのアイデアとしては、お花屋さんとコラボし、お花の教室の際に使用するテーブルや、お花を飾るために使う小物を作成することを考えています。また、私が一つ目標にしているのは表札です。弊社では、お客様が書かれた文字をそのまま製品の絵柄として加工することができるので、例えばお家を建てた際に、お子さんが書いた文字を表札にするなどして、世界に一つしかない作品を作るお手伝いができればと思っております。他にも、薄いものから厚いものまで様々なものを切ることができる加工機を使うことで、細い線など繊細なものまで作れますし、材料屋としていろいろな素材を取り扱っているので、ご要望に合った質感や特性の素材をご提案することができると思います。

―最後に、今後の植木鋼材様としてどんなことに挑戦していきたいとお考えでしょうか?

植木氏: 取り扱う商品は鉄一筋に変わりませんが、一般の方々が日常生活にて使えるような様々なオーダーメイドアイアン製作に挑戦していきます。そのために、これまで製造に携わっていた社員も外にでてもらい、お客様の声を聞くことで、開発や製造に生かすことができれば考えています。また、社内の取り組みとして、よりお客様に寄り添えるよう、新しい部署をつくろうという動きがあります。さらに、加工の時に出る廃材を研究し「とちぎブランド」づくりの構想もあります。このような新しいことに向け準備している中で、社員からのアドバイスや提案などが活発に生まれるなど、社員との一致団結感を感じております。このチームワークを活かし、仲間たちと和気藹々とした雰囲気を保ちながら、大きなものから小さなものまで、お客様のニーズに合わせられるような、フットワークのいい会社をつくっていきたいと思っています。そして、鐵が生かされ、誰もが身近に鐵を感じることができる製品をつくり、各家庭の一部に植木鋼材の製品が組み込まれ、「鐵といえば植木鋼材」と言われるような、地域密着の植木鋼材をつくっていきたいです。


<会社概要>
名称:植木鋼材株式会社
代表者:植木 揚子
設立:1962年7月
所在地:栃木県宇都宮市川田町804
HP:https://www.uekikohzai.co.jp/
事業内容:一般鋼材、非鉄金属及び自社加工を主力とする鉄鋼販売業